入れ歯も自分の歯も基本は噛み合わせ

これから述べることは入れ歯のみならず、かぶせ物、歯周病など歯科の噛み合わせ治療に関する基本的な事実です。しかし、それを実践している歯科医院は決して多くはありません。それはリンガライズド・オクルージョングループファンクション呼ばれる噛み合わせ様式です。私は歯科治療の大原則と認識しています。
名前だけは知っている歯科医師もいますし内容を知っていても実践していない歯科医師も多いのですが、当院では臨床上は実践してみて患者様からはとても安定感があって良いとの評価を受けています。その内容を説明します。

リンガライズド・オクルージョンとは

従来の理想的な噛み合わせ様式は図1のようにABCコンタクトと呼ばれる3点が当たる様式です。


図1

これは机上の空論であり実現は出来ないし、もし出来ても患者さんがよく噛めるとは感じないでしょう。


図2

これに対してリンガライズド・オクルージョンは図2のようにシンプルです。


図3

拡大して見ると、図3のように下の歯の噛む面は平坦にしてその中央に上の歯の内側の山を1点だけ咬合させるものです。

リンガライズドコクルージョンの特徴

総入れ歯だけでなく、天然の歯はもとより、すべてのかぶせ物に適用出来るのです。下の歯は平坦な面とし、片側で4点の接触点をつける。

リンガライズド・オクルージョン安定の理由

食事中に食塊が常に歯の中央にあるとは限らず図4のように斜面の途中に食塊があればその噛む力は図のように40kgの力がかかれば40kgの力のベクトルが発生します。


図4

この時斜面の傾斜角度が30度ならば、20kgの側方ベクトル(横への力)が発生し、噛むたびに歯を揺するわけです。
傾斜角度が大きい程、側方ベクトルは大きくなり歯は揺すられ動き始めます。 これを咬合性外傷と言います。入れ歯ならば、ローリングを起こし痛みを起こします。
矯正治療では、100~200gの力で歯は動くのですから、天然の歯が動遙を起こしたり、入れ歯の場合では痛くなるのは当然です。
歯周病で動揺が出てももリンガライズド・オクルージョンにすると劇的な改善が見込めます。

グループファンクションとは

前後左右に顎を滑走して動かしても、2~3mmの点状の接触となるように調整します。
こうして臼歯部のどこで噛んでも、左右とも4点づつ均等な力が入れ歯にかかるようになれば痛みが発生することはありません。
こうすれば、咀嚼運動経路がどうであれ、噛める入れ歯が出来ます。
理論的な解説は非常に簡単に見えますが、臨床上の調節はそれなりの経験が必要になります。

当院の咬合治療は元奥羽大学教授の丹羽克味先生の提唱するリンガライズド・オクルージョンとグループファンクションの理論に基づいています。丹羽先生にはいつも咬合理論と臨床上のサジェスチョンをいただき感謝しております。